About
暮らしとインド料理

初めてインドの家庭料理を教えてくれたのは、ヒマラヤ山脈の麓に住むひとりの青年だった。今も作り続けるサモサは、彼から教わったもの。

北インドでは、毎日のように食べられているサモサ。途中、包み方がわからなくなってしまった彼は、お兄さんを呼んで聞いてくれた。インドの人たちは、家庭の味を愛している。そしてその味が体に染み込んでいる。教えてもらったサモサは、彼らの家で何代にもわたって作り続けられてきたものだった。

それからも、出会った人の家に行っては家庭の料理を教わった。使うスパイスの量や組み合わせ、あわせる食材や油によって、味や香りは大きく変わった。自在なスパイス使い、香りを大切にする調理法、全てが新鮮だった。好奇心のおもむくままに、料理家やアーユルヴェーダのキッチン、街の屋台や寺院でもインド料理を学んだ。

今、琵琶湖のほとりのキッチンで、日々せっせと作られるインド料理は、多くの人から教わったもの。彼らが愛し、大切に受け継いできたレシピが、今も日々の暮らしの中で生き続けている。そう思うと、また無性に彼らに会いに行きたくなる。

INDORI/インドリ

滋賀県湖西にある小さなおうちでひらいている、インド料理の教室です。日々の暮らしに自然と溶け合うような、そんなインド料理作りを目指して、レシピを探求しています。

島本ゆり/Shimamoto Yuri
INDORI主宰

1981年生まれ、二児の母。
山と湖に惹かれ、2012年滋賀県へ移住。

2003年/初めてのインドへ
インド人の気さくな雰囲気に惹かれ、インドの虜となる。何度も旅する中で、インド料理が自分に合っていることに気づく。毎年渡印し、主婦や料理家からインド料理を学ぶ。

2012年/Agata petika(アガタペティカ)としてインド料理教室を始める。
現地のインド料理を、食卓で楽しんでもらえるようレシピを考案し、滋賀を中心に、京都や大阪でも活動。マーケット出店・ヨガイベントでの食事担当も行う。

2018年/INDORI(インドリ)に名前を変更
子どもと生活をすることで、暮らしのスタイルが自分に大きな変化を及ぼすことを学ぶ。忙しい毎日でも大好きなインド料理と向き合えるように、シンプルな工程で作れるインド料理を研究。

2020年/第二子出産