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暮らしとインド料理
初めてインドの家庭料理を教えてくれたのは、ヒマラヤ山脈の麓に住むひとりの青年だった。今も作り続けるサモサは、彼から教わったもの。
北インドでは、毎日のように食べられているサモサ。途中、包み方がわからなくなってしまった彼は、お兄さんを呼んで聞いてくれた。インドの人たちは、家庭の味を愛している。そしてその味が体に染み込んでいる。教えてもらったサモサは、彼らの家で何代にもわたって作り続けられてきたものだった。
それからも、出会った人の家に行っては家庭の料理を教わった。使うスパイスの量や組み合わせ、あわせる食材や油によって、味や香りは大きく変わった。自在なスパイス使い、香りを大切にする調理法、全てが新鮮だった。好奇心のおもむくままに、料理家やアーユルヴェーダのキッチン、街の屋台や寺院でもインド料理を学んだ。
今、琵琶湖のほとりのキッチンで、日々せっせと作られるインド料理は、多くの人から教わったもの。彼らが愛し、大切に受け継いできたレシピが、今も日々の暮らしの中で生き続けている。そう思うと、また無性に彼らに会いに行きたくなる。
INDORI/インドリ
滋賀県湖西にある小さなおうちでひらいている、インド料理の教室です。日々の暮らしに自然と溶け合うような、そんなインド料理作りを目指して、レシピを探求しています。